キャリアステップ例

鍋をうまく振り、餃子をうまく返したい。

店長ってかっこいいんだ——学生時代、アルバイトしていたカフェの店長がとても輝いていました。スタッフを統括して指揮をテキパキと執り、しかも優しく思いやりがある。やりがいってこういうことなんだと感じ、飲食業界志望に。面接ではオーラの出せる店長になりたい、とのアピールをしました。特に王将は、店長の裁量でできることがとても多いのが魅力ですから。入社後、同期5人と一緒に池袋西口店へ配属。とにかく忙しい店で、あとあと役立つ数多くの体験が出来ました。初めて厨房に立たせていただいたのもここ。それまで調理経験はゼロでしたから、何もできません。うまく鍋を振りたい、餃子をきれいに返したいと、一生懸命練習に励んだものです。明るい雰囲気は、飲食店の中で付加価値となります。

深夜の人間模様も食べ歩きも勉強。

次に配属されたのが、本厚木店でした。深夜営業もやっていたのでその責任者も務めました。飲んだ帰りのお客さまが多く、いろいろなできごとに遭遇。人間模様を間近に見ることができ、人生の勉強にもなったと思います。オープンキッチンなのでホールの様子が見え、常連のお客さまが来店されるといつものメニューをつくり始めることも。そして1年半後にここへ一般社員としてやってきました。店長のサポート業務をこなしつつ、経験を広げるために休みの日は食べ歩きに出かけています。でも、こちらの店長は一日に何軒も回りますから、見習わなければ。食べ過ぎてお腹が痛い、なんて言っていることもありますが(笑)。

してもらって嬉しい、楽しいと思うことを。

レジの後ろに餃子の焼き場があります。お客さまがお会計をなさっている時、そこから顔を見せて「ありがとうございました」と言う。お客さまもこちらに会釈される。心が通う嬉しい瞬間をスタッフにもたくさん経験してほしいのです。やらされるのではなく、楽しいから自分からやる。自分がつくったり運んだりした料理に「ありがとう」「おいしかったよ」と言っていただけると、頑張ろうという気持ちになります。逆に「おいしくなかった」と言われてショックを受けたこともあります。人生の一食分を無駄にさせてしまったことが申し訳なかったのです。上司に相談して教えてもらい、繰り返し真似しました。

自分で描いた理想に向かって

接客業は人と人の触れ合い。人が好きでないと務まりません。私は、好きです。その気持ちがお客さまにも伝わり、いい波動を生むのではないでしょうか。私が店長になったとしたら、まずは挨拶がきちんとできる店にしたい。明るい雰囲気は、飲食店の中で付加価値となります。王将を選んでいただき、元気になって帰っていただく。スタッフも自主的にいろいろやり、お客さまとの触れ合いで喜びを感じてもらう。私の得意な点は雰囲気づくりですから、いるだけで空気が変わるような店長になれればと思っています。いつ「明日から店長をやれ」と言われてもいいように、毎日仕事をしています。食べ歩きももっと行かなければ(笑)。

のらりくらりの新人時代。

決められた料理を、そのままつくるのではない。お店それぞれがオリジナリティを持ち、目の前のお客様と向き合って一から調理していく…大学時代にアルバイトで接客業をやっていた私は、王将のそんなところに惹かれて入社しました。配属されたのは、「社員は全員女性」という店舗。女性の笠井店長(※店長紹介のページに登場)が任されているお店。女子大の近所で、雰囲気、接客など『女性でも一人で入れるような店づくり』が進行中でした。そこで半年ほどはホールを担当。調理の経験不足もあり、厨房での仕事をさせてもらえない悔しさがありながらも「どうせ家でも料理はしないから…」と自分をごまかし、のらりくらりと働いていたように思います。

辞めようと言いに行ったのに。

そんな中、アルバイトスタッフが急に数名抜けたんです。忙しく、私も厨房の仕事を任されるようになりました。必死で手順を覚えるも失敗して怒られてばかり。おまけにスタッフの抜けた穴を埋めるべく労働時間も長くなりがち。何だかもう嫌になって店長に「辞めたいです…」と告げました。そしたら、店長がこんなことを言うんです。「自分が嫌だという状況を変えるために、自分で何か動いたの?誰かに『してもらう』ことばかり考えてない?」と言われて、ハッとしました。たしかに自分から努力はしていなかった。言われて動いて不満を言う。それだけだった。…そう思うと、急に恥ずかしくなってきたんです。「やったろうやないか!」私の中で何かが燃えはじめました。

してもらって嬉しい、楽しいと思うことを。

「シフト、私に組ませて下さい」「食材の発注、私がやります」私は自分で仕事をとりに行くようになっていきました。そして「店長や副店長になるには、鍋振りができないと!」と、少しずつ練習。はじめはレシピ通り、グラムを測ってつくることからはじめ、だんだんと手の感覚でわかるように慣れる。炒める長さ、味付けのタイミング、火加減…たくさん火傷の跡をつくり、店長のOKをもらいどうにか営業時間に鍋を任されるようになりました。しんどくても、味わえる達成感がホントにうれしい。「盛りつけが雑!手を抜くな」いつの間にか店長に怒られても、凹む前にまず「店長は何を伝えたいのか」と考えるようになっていました。そして気づいたんです。いつも私がお客さんに怒られるのを、事前に防いでくれていたんだと。

女性を育てる店長を目指して。

鍋振りに慣れてくると、今度は店内の様子を見ながらつくることを意識するようになりました。きっかけは「自分が出した料理を食べるお客様の姿は、ちゃんと見ておきなさい」と店長に言われたこと。なるほどお客様の表情や反応が見え、「うまい!」とうれしい声も聞こえてくる。さらには、周りが見える分スタッフに指示も出せるようになる。店長って、ホントにスゴイ。まだまだ王将では、『女性店長』は少ない存在。確かに、男性ほどの量を鍋で一度に振る力はありません。ですが、「人の変化に気づく」力はある。自分はそれを活かして、店長みたいに女性社員を育ててみたい。そして早く店長になり、同じ目線で王将の未来を語り合いたい。今はまだ副店長。私にはここでやりたい夢があります。